EVERYDAY PACKING

荷物も頭の中も毎日詰め直し

中小企業の憂鬱

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近頃アベノミクス効果についていろいろ報道等されていますが 日本の高度経済成長とともに生きながらえてきた製造業の 中小企業にいると昨今いろいろ限界が見えてきます。 取引先の大企業が ひととおり自社内の、マニュアル化、システム化、 人員整理、組織改革等 社内整備を終え、グローバル戦略が整い臨戦 体制に入ってきたからなのか 原料供給元に厳しい要求事項を列挙した ぶ厚い監査リストを引っ提げ訪問してくるのです。 以前は ISOほか一般的な要求事項を満たし証明書のコピーの提出を 求められるだけでした。また、一部の外資系企業が本国より監査 のエキスパートを派遣してきたりしましたが 、言葉の壁のおかげか、 監査そのものより 日本見学が主目的だったからか挨拶程度のものでした。 が、最近は趣向が変わってきました。わざわざ分社化して監査専門 の会社を立ち上げ、独自のプログラムで、監査対象企業の財務状況 にいたるまで目を光らせ事細かく指導し改善要求を行ってくる会社が 現れたのです。 機能的に分社独立された監査会社は公正な立場である一方、その会社の 収益はグループによるものですから グループ会社の製品の安全性の 担保が結果、自社の存続に懸かるわけで ISO認定会社の監査員も霞ん でしまうくらいの様相となるわけです。 中小企業からすれば、圧倒的な資本と人材で形成されたシステムは 完成度が高く素晴らしいと思う反面、原料のルーツをたどって行けば 途上国の未熟な設備や技術の工場だったり、農家だったりで、規格や 安全性についての要求が困難であるという現実があるわけです。 「難しいこと言うなら買ってくれなくて結構、他に買手はいくらでも ある。」と開き直られることもしばしばです。人口増加にともない 今後より一層その傾向は増すでしょう。 知識と情報を主体とした仕事、ホワイトカラーの仕事の限界点が ここにも見えてきた気がします。